ものがたりの種

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そして誰もいなくなった

 

小学生の頃に小説を読み始めた僕の好みは、歴史もの。

 

特に、中国が好きでした。

 

が……。

 

ある日、ふと違うジャンルが読みたくなり、推理ものに手を出すことに。

 

たまたま手に取ったのが、アガサ・クリスティの作品。

 

その代表作にして、彼女自身もお気に入り作品10作の一つに挙げている。

 

それは、「そして誰もいなくなった」です。

 

 

あらすじ

 

ある孤島に8人の男女が、招待された。

 

年齢も職業も、全く異なる者たちだ。

 

そして出迎えたのが、2人の召使い。

 

その計10人が、この作品の登場人物。

 

 

 

晩餐のとき、彼らの過去の罪を告発する謎の声が、蓄音機から流された。

 

その直後、第一の殺人が起こる。

 

 

彼らはこの島から逃げ出したいが、迎えの船は来ない。

 

 

その後、次々と死んでいく。

 

未だ姿を見せない11人目がいるのだろうか?

 

いや、自分らの中に殺人鬼はいるのだ。

 

そう確信するものの、誰かはわからない。

 

疑心暗鬼の中、3人にまで数を減らす彼ら。

 

誰が犯人?

 

次は自分?

 

さらに2人が死に、ついに生き残りは1人となる。

 

通常では彼が、この連続殺人事件の犯人なのだが。

 

……彼もまた殺人鬼ではなかった。

 

そして、彼も精神的に追いつめられ、自ら死を選ぶ。

 

 

10人のインディアン

 

 

10人のインディアンの少年が、食事に出かけた。

 

1人が喉を詰まらせて、9人になった。

 

 

9人のインディアンの少年が、遅くまで起きていた。

 

1人が寝過ごして、8人になった。

 

 

8人のインディアンの少年が、デヴォンを旅していた。

 

1人がそこに残って、7人になった。

 

 

7人のインディアンの少年が、薪を割っていた。

 

1人が自分を真っ二つに割って、6人になった。

 

 

6人のインディアンの少年が、蜂の巣にいたずらをしていた。

 

蜂が1人を刺して、5人になった。

 

 

5人のインディアンの少年が、訴訟を起こした。

 

1人が裁判所に行って、4人になった。

 

 

4人のインディアンの少年が、海に出かけた。

 

1人が燻製のニシンに飲まれ、3人になった。

 

 

3人のインディアンの少年が、動物園を歩いていた。

 

大熊が一人を抱きしめ、2人になった。

 

 

2人のインディアンの少年が、日向に向かった。

 

1人が陽に焼かれ、1人になった。

 

 

1人のインディアンの少年は、独りぼっちで暮していた。

 

彼が結婚をし、そして誰もいなくなった

 

 

「10人のインディアン」 マザーグースの動揺より

 

 

 

この作品で重要になるのが、上記の歌詞。

 

これになぞらえて、続けられる殺人。

 

ちなみに、最後の1人は別の終わり方があり、アガサ・クリスティはそちらを採用。

 

 

1人のインディアンの少年が、取り残された。

 

彼が首をくくり、後には誰もいなくなった。

 

 

 

「インディアン」は差別用語であるとして、近年では、「10人の子どもの兵隊」と改編されている物もあるそうです。

 

ご注意を。

 

 

その衝撃ときたら、もう

 

 

登場人物が全員いなくなるなんてあり得ないでしょう。

 

あり得ない、と読者に思わせたる。

 

そして、それをちゃんと納得のいく形で終わらせる。

 

そんな作品を世に出せたら、と羨ましくなります。

 

最高に、衝撃を受けた作品でした。