「日本の4社がクラスター爆弾製造企業に投融資」の記事を読んで
「非人道兵器」と呼ばれるクラスター爆弾を製造する企業に対して、投融資を行っている世界各国の金融機関をNGO(非政府組織)団体が発表しました。
日本の金融機関では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、オリックス、第一生命がリストに挙がっています。
【クラスター爆弾】
1発の親爆弾の中に、数千個の子爆弾を収納して、投下。
親爆弾が空中で爆発すると、子爆弾が広い範囲にばらまかれます。
子爆弾は硬いもの(戦車や建物、地面)に当たると爆発しますが、やわらかい畑や沼地などに落ちると不発のままになり残ってしまいます。
不発のままの子爆弾は、多くの場合、地面や草原に転がったままに。
その正体に気づかない子供たちが、拾い集めたり、おもちゃにしたり、蹴飛ばしたりすることもあるのです。
http://www.prema.co.jp/raos/cluster01.html
http://kikuchiyumi.blogspot.jp/2008_05_01_archive.html
「第二の地雷」と呼ばれるクラスター爆弾の被害者は、「死傷者は5万人を超え、その内の9割が民間人」なのだそうです。
2008年、クラスター爆弾はノルウェー・オスロで、その使用や保有、製造を全面的に禁止する条約が結ばれました。
「戦争への加担となる投融資が条約締約国の日本で行われないよう、日本政府にも取り組みを呼びかけたい」
調査を担当したマイッケ・ベネシュ氏は、そう訴えます。
【投資と融資】
投資の歴史は古く、ヨーロッパの「大航海時代」(15世紀~17世紀)にまでさかのぼります。
各国との貿易が盛んで、「航海に成功すれば、貿易で大もうけ」の時代です。
もちろんリスクもあります。
海賊に積荷を奪われたり、嵐などの自然の猛威によって船が沈んだりする可能性もありました。
「航海に失敗すれば、大損」なのです。
そこで、リスクを分担するために、出資を募ることにしました。
成功したらもうけを分け合い、失敗したら損失を負担し合うことにしたのです。
これが、投資の始まり。
投資は、売買の差額で利益を生む仕組みです。
株価が安い時に買って、株価が高い時に売るのですが、どの企業の株を買うかは、その企業の将来性を予測して選びます。
融資は、資金を融通すること。
つまりお金を必要な者に貸すことです。
これも投資と同様に、相手の将来性 (利息をつけて返ってくる見込みはあるか) をみて行います。
「この企業は、この先、多くの利益を出すだろう」
「この業種は、これから伸びるだろう」
で、決定されるのです。
【何を見た?】
さて、上に挙げた日本の4社は、クラスター爆弾を製造する企業に、その将来性に、何を見たのでしょう。
追記。
関係ないけれど、金融機関のCMって、心温まるものが多いのはなぜなのでしょうね。