思考のよせなべ

清水喜文ブログ

旅するように暮らす。

  

人々は旅に憧れます。

まだ見ぬ世界への憧れ。

心震わす体験。

人、あるいは文化との出会い。

それらを思うだけで、心が躍ります。

 

 

ところで、人類にとって「旅」とは何なのでしょう。

いつから旅をするようになったのか。

ふと、そんな事を考えて、人類史を振り返ってみました。

 

人類が誕生したのが700万年前。

そして定住が始まったのが、1万年前。

農耕が始まるまでの長い期間、人類は獲物を求めて、移動していました。

つまり、誕生してすぐに「旅」の歴史も始まったのです。

 

人類の歴史において、「旅する暮し」と「定住」の割合をみると…。

なんと、700対1。

なるほど。

ジッとしてられないわけです。

 

 

狩猟時代を想像してみる。

何日も狩りが成功しなければ、たちまち飢えてしまうくせに、獲れる時に多めに獲っても、保存する術がありません。

さらに、人類は必ずしも捕食する側だとは限らず、油断していたら狩られてしまいます。

当然、医学も発達しておらず、少しの怪我で命を落とす者もいたはずです。

もの凄く大変そうです。

だから、農耕放牧が始まり安心安定を得ると、人々はホッとしたことでしょう。

 

ところが、農耕放牧が始まってしばらくしてから、国家や貨幣制度が誕生します。

それから社会は、どんどん複雑になっていきました。

身分という概念が生まれ、格差が生じます。

 

労働時間は長くなる一方ですが、暮らしは楽になりません。

そして「自殺」が誕生します。

これは、狩猟時代では考えられなかった概念のはずです。 

 

そんな社会に、疲弊する者が多くなってきました。

 やがて、「縛りつけている何かから解放されて、自由に生きたい」という思いが強くなっていきます。

 

そんな時に…。

終身雇用の神話が崩れました。

大企業でも倒産する時代になりました。

安定なんてどこにもないんだな、と気づいてしまいました。

 

良い変化も…。

インターネットが発達して、どこででも働ける人が出始めました。

LCC(格安航空会社)の誕生で、移動コストが安くなりました。

 

外敵に襲われる心配が、ほとんどない世の中です。

ちょっとした怪我では死にません。

お金さえ稼げるならば、世界中どこにいても飢える恐れはありません。

「それなら世界に飛び出そうか」

 

そして、舞台は整えられ…。

トラベルライター、トラベルフォトグラファー、ノマドワーカー、ハイパーノマド、モバイルボヘミアン……。

などと呼ばれる者たちは、誕生しました。 

 

 

自由と静けさ

 

いま国々ではいろんな禁止や規則を

やたら設けるもんだから、

少しの金持ちと多くの貧乏人ができているじゃないか。

 

多くの人にいろんな武器を持たすから

どの国も不安や暴力につかまっている。

 

頭のまわる人間があれこれやって

新しい知識が生まれる。

 

そして知識が生まれれば生まれるほど

人々は忙しくなる。

 

法規や税法を細かくすればするほど

網をくぐり抜ける悪党や盗っ人が

増えてるじゃないか。

 

こんな国々がより集まったからって

全世界が静かに治まると思うか?

 

 

この大きな世界が治まるには

国も人びとも、

できるだけ相手の自由を尊重することだ。

 

そして静けさを愛することだ。

 

自由と静けさ、

それがあれば、人々は自然に

良く働き、繁栄が生まれてくるんだ。

 

必要以上の欲求を持たなければ、

人はじつにゆったりした存在でいるものだよ。

 

こういう人びとが

全世界にあふれてごらん

そうしたら、グローバルな平和と調和が

成り立つじゃないか。

 

『「タオ――老子」 加島明郎著 筑摩書房』より

 

 

人類の生活スタイルは、再び、転換期を迎えたのです。

それこそ人類史に残るくらいの。

 

 

 

ノマドワーカー

Nomadノマド)」とは、英語で「遊牧民」を意味する。

ノマドワーカーとは、特定の職場を持たず、移動しながら仕事をする人々を指す言葉。

 

ハイパーノマド  

グローバルに活躍するノマドの上位者。

 

モバイルボヘミアン

四角大輔氏と本田直之氏によって提唱されている造語。

「モバイル」はモバイルテクノロジー。

ボヘミアン」は自由奔放に生きている人。

自分らしくいられる時間をできるかぎり長く持つための工夫。

仕事、表現、生活のクオリティを極限まで上げるための考え方。